巡る春

息子の受験が終わった。思いがけず受験初日に第一志望校に合格、という快挙!ずっとやきもきさせられてきたけれど、何というか、最終的には本人の人生で、親は見守るしかないんだな、と、それが仕事なんだな、と感じた。これからもこのことを心しておこう、と今書いておく(笑)。

受験初日前日の1月31日夕方、母方の祖母と友人が危篤であるとの連絡が続けて入った。祖母はもう95歳で、ここ数カ月は入院したり体調があまり優れないようだと聞いていたので、多少覚悟のようなものはあったけれど、友人は本当に突然のことで驚く。昨年春に会った時はとても元気そうだったのに。2月1日朝、入学試験の息子を駅まで送って家に戻った時に、息子が受かるような予感があり、そうすれば明日友人のお見舞いに行けるかもしれないと算段もしていたが、夕方友人は天に返ったと連絡が入る。息子の合格も同じ日に分かり、寂しいことと嬉しいことが一つずつの1日。

その後、息子の受験がひととおり終わり、6日から4日間ほど祖母のお見舞いで単身で実家に帰省。点滴も外し、体に何も入れていない状態が続いている祖母と言葉を交わすことはかなわなかったが、祖母は体が本当に強く、その強さにただただ感嘆してしまう。人がしまいに入っていく過程も見せてもらい、祖母の側に両親や叔母夫婦たちと寄り添っているのは、静かだけれどとても貴重な時間だった。施設にも両親と一泊したのだが、両親が隣室で仮眠を取っている時は、私と祖母の二人きり。帰省前はこんなシチュエーションは想像していなかった!と思いながら、じーっと祖母の顔を見つめたり、本を読んだり、祖母と密な時間も持つことができた。

結局、祖母は私が横浜に戻った翌々日2月11日未明に亡くなった。その日は1日に亡くなった友人の告別式でもあった。同日の祖母のお通夜には参列できなかったが、私は都内の友人の告別式に足を運んだ。同じ1月31日に危篤だと連絡があった二人が、1並びの日に亡くなり、葬儀も同じ11日、とても不思議な巡り合わせを感じた。若くして亡くなった友人はとてもとても美しく、そして祖母もお化粧をしてもらってきれいだったと母から聞いて、祖母の若い頃の美しい写真を思い出し、2人が重なった。

臨床心理士でもあった友人からは、昨年春に会った時、描画療法というセッションをしてもらい、沢山のものを交歓し、受け取った。

母方の祖母は、私が大学で一人暮らしを始めた頃、友人宅に泊まって連絡が取れなかった私を心配した母からの電話で、隣県から飛んできてくれてたことがあった。私がのんびり帰宅したらアパート前に祖母が立っていて、ビックリ!申し訳ないからと翌日は宮島を案内したのだが、別れ際私のカバンの取っ手が取れてしまい(合皮(笑))、おばあちゃんからしっかりお金を渡されたことが忘れられない。

魂は永遠だと思っているけれど、肉体だからこその思い出は沢山あって、寂しさは尽きない。

そんな寂しさの中でも、帰省中、父が息子のために祈願してくれた神社にお礼参りをしたり、横浜に戻ってからは子供たちの合格祝いもしたり、例年どおり、家の梅の花が咲いていたり、の春。

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